3密対策で告知をしないイベントに行ったら、これからの運営が見えてきた

2020.10.02

“ウィズコロナ”“ニューノーマル”“新しい生活様式”。ここ数ヶ月の状況変化として使われはじめ、今や日常を表す言葉になっています。私たちの生活はすでに次の当たり前に進んでおり、社会のあり方も大きくシフトしている感覚が日々強まっています。一方、イベント業界においては自粛・中止の影響も強く残り、本格的な再始動にはまだ時間がかかる印象です。このような状況を打開しようと、仙台イベント業協会が自らイベントを開催すると聞いて、参加してきました。

 

今回参加したEVENT SENDAIは、仙台イベント業協会がこれからのイベントのカタチを実践したものです。各社のコンテンツやノウハウを持ち寄りながら、感染防止・拡大防止に最大限配慮して運営されていました。

 

できる3密対策は全てやる。告知しないこともその一つ

EVENT SENDAIの開催が伝わってきた後、開催情報をどれだけ調べても見つかりませんでした。イベントは開催したいが集まりすぎても困るから、開催告知を一切行わないと聞き、興味はさらに強まりました。今回はイベント再開を地域にアピールするのに、それを知らせない狙いは何なのか。現地に行ったらこれからのイベントのあり方がおぼろげながら見えてきました。

会場に着くと、感染防止のスタンダードと言ってもいい対応が一通り実施されています。入り口には適切な距離を保てるように印があり、感染防止の取り組みへの協力を呼びかける注意書きがあります。マスクの着用確認、アルコール消毒、体温の二重チェックを経て入場となりますが、みなさんそれに従っています。感染防止は誰かが気をつけるのではなく、みんなが気をつけることで守られていることがよく分かります。

オープンなイベントの受付では珍しく、来場者全員が連絡先を記入しています。どんなに気をつけても感染リスクはゼロにはならないので、感染者が出た際に即座に連絡ができる準備も怠りません。これにも文句をいう来場者は見当たりませんでしたが、やはりその場で記入していくのでは時間がかかります。イベントの参加上限緩和に向けて、今後は参加者情報の効率的な把握が重要になります。

 

会場内はかなりのゆとりのあるスペースになっています。1人当たり4㎡のスペースが確保できるように、スタッフを含めて300人しか入らないように人数管理がされているようです。具体的な数値を基に人数制限をしていくのは明確です。4㎡は縦横2mですので、現在の距離感覚ではかなりの空間になっています。暑さ対策の点においても、このスペースが快適さに貢献していました。今後はイベントの内容や会場構成、展示物に合わせて適切なスペースを算出されていくでしょう。

エリアを区切り、入口と出口を1箇所に絞ることで、感染対策、場内案内、人数管理が無理なく行えていますが、エリア外に人を並ばせてしまっては本末転倒です。ブースでは各社が最大限配慮して運営をしていますが、作業を丁寧に確認しながら来場者に対応しています。こうした点を考慮すると、告知をせずに最低限の人数を受け入れたイベント開催とすることはいい落としどころだと感じました。

 

勾当台公園では8ヶ月ぶりのイベント。仙台にイベント再開を案内したい

EVENT SENDAIの実行委員長をつとめた仙台イベント業協会の齋会長に伺いました。

実に8か月ぶりのイベント開催です。仙台の屋外イベントの中心である勾当台公園でようやくイベントが開催できました。飲食や買い物は日常に戻りつつありますが、今の状況では主催者のみなさんも安易にイベント開催の判断をすることは難しい。でも、イベントができる安心感を伝えたい。だったら、私たちイベント業界がやり方を示すことで何かを変えられるとの思いがきっかけです。

コロナウイルスの感染はもちろん怖い。どんなに対応しても感染者が来場してしまうかもしれないし、ここで感染するかもしれない。この覚悟をもって真剣に対策をとれば、感染リスクを最大限減らせます。今回は初めてなので過剰な位対応をしていますが、続けていく中でより自然なイベントができるようになる。地元のイベント関係者もたくさん来てくれました。今回のやり方を見て、それぞれが一歩を踏み出せるように何かを持ち帰ってほしい。

久しぶりにテントが立っていたからと会場に来てくれた人もいます。やっぱり、ここでイベントが開催されることの意味は大きい。いきなり大勢を集めるイベントを開催しなくてもいい。まずはできる範囲の中で安全なイベントが定期的に開催される日常にもどしていきましょう。

 

リアルイベントの代替としてのオンライン開催や無観客での開催は増えています。いまだ人数制限は解除されていません。解除されたとしても、主催者の立場ではなかなか開催に踏み切れないのが実情です。今回、イベント制作会社が自ら行動を起こし、新しい時代に沿ったイベントに進み始めたことはとても意味があります。今回の様子を見て、イベントを開催できると感じた主催者が次に続き、この動きが各地に広がることで、新しい時代のイベントが作られていくことになると感じました。

 

 

 


この記事を書いた人
越川延明
千葉県出身。2001年セレスポ入社。サステナビリティを軸とした組織づくり、人材育成、PR、IR、CSRに取り組む。サステナブルな生き方を目指し、「正しさよりも楽しさ」をテーマに活動中。人見知りなのに人前で話す機会が多いのが悩み。

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