行動指針に繋がる道標をさがせ! ~ カレンダーから読み取る明日への扉 ~

「カレンダーを見て今まで何となく見逃して来たけど、そういえばこれってどんな意味なのだろう?」
うろ覚えな知識はあるけれども人に説明するには拙い…そんな人が大多数ではないだろうか。
例えば毎月の“和名”の名前がそうだ。初見では全く関係を見出せない名前も複数存在する。
何となく時節に関連付けが出来るような名前もあるし、季節感とそぐわない月も存在する。
六曜についても触れておきたい。今では慶事や弔事において重要視される事が多いが、
“和風月名”を使用していた時代には、人々の行動指針になっていた重要な項目だった。

以上を踏まえ、今回は「和風月明」と「六曜」の2点に焦点を当てたいと思います。

 

1.和風月名(わふうげつめい)

― 旧暦(太陰暦)の時に使用されていた日本独自の月の呼び名の事。
(西暦720年成立の日本書紀には既に掲載されていた。)
― 当時の暦に合わせたものなので現在の季節とは合わない部分もある。
(現在の暦と比べると1か月~2か月程のズレがある。)

以下は各月の呼び名である。

・1月 / 睦月(むつき) … 正月に親類一同が集まる月。
( 睦 = 人と人とが仲良く寄り添うという意味がある )
・2月 / 如月(きさらぎ)… まだ寒さが残る中で衣服を重ねて寒さをしのぐ月。
( 衣更着 → 如月 )
・3月 / 弥生(やよい) … 木草弥生い茂る月(きくさいやおいしげる)
(木草弥生い茂る → 木草弥生茂 → 弥生 )
・4月 / 卯月(うづき) … 卯の花の咲く月
←卯の花
・5月 / 皐月(さつき)… 早苗(さなえ)を植える月。
( 早苗月 → 早月 → 皐月 )
・6月 / 水無月(みなづき、みなつき) … 田に水を引く月( ※ 無 = ~のという意味。)
水が無くなる程暑くなるからという説もある。
・7月 / 文月(ふみづき、ふづき) … 稲穂が実る月
( 穂含月 / ほふみづき → 文月 )
・8月 / 葉月(はづき、はつき) … 紅葉が始まり、葉が落ちる月
( 葉落月 → 葉月 )
・9月 / 長月(ながつき、ながづき) … 夜が長くなる月
( 夜長月 / よながづき → 長月 )
・10月 / 神無月(かんなづき)… 神様の月の意味。
全国の土地の神々が出雲大社に集まり、各地の神々がその土地を空け留守になる月( 神無し月 → 神無月 )
出雲大社のある島根県では、( 神在月 / かみありつき )と呼ばれる
・11月 / 霜月(しもつき) … 霜が降りる月
←霜が降った後の葉

・12月 / 師走(しわす)… 師匠(僧侶)が走り回る程に忙しい月

( 師匠走る → 師走 )

※ 読み方や名前の由来は紹介したもの他にも諸説あります ※

 

2.六曜(ろくよう)

六曜とは「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」
の6つをあわせた呼び名で、その日の吉凶を占う指標のことです。
時間帯によって吉凶が変わる日もあれば、終日同じ運気の日もあります。
以前は六曜をもとに生活行事が決められていましたが、現代では六曜を気にする人も減りました。
あくまでも「目安」や「げん担ぎ」として考えておくのが良いでしょう。

先勝( せんしょう )≪先んずれば即ち勝つ≫ ※午前は吉、午後は凶。
→ なるべく先回りして行動すると吉。何事も急ぐことが良い。用事は午前中に済ます。

 友引( ともびき )≪友人を引き込む≫ ※朝夕は吉、正午は凶
→ 慶事(結婚、出産)には向いている。弔事(葬儀、法事)は避けた方が良い。

先負( せんぷ )≪先んずれば即ち負ける≫ ※午前は凶、午後は吉
→ 何事も控えめに平静を保つ日。何事も急ぐとダメ。用事は午後から行う。

仏滅( ぶつめつ )≪仏も滅する大凶日≫ ※1日中が凶(六曜の中で最も悪い日)
→ 万事凶日。特に慶事は避けた方が良い。例外として、離縁等何かから離れる行為は良しとされる。

大安( たいあん )≪大いに安し≫ ※1日中が吉(六曜の中で最も良い日)
→ 万事吉日。制限や禁止事項が特に無くあらゆる事柄において吉。特に慶事に良いとされる。

赤口( しゃっこう )≪赤舌日=大凶日≫ ※朝夕:凶 正午のみ吉
→ 万事凶日。新しく何かを始めるべきではない日。“血”や“火”等赤色を連想させるものは要注意。

 

縁起が良い  大安>友引>先勝>先負>赤口>仏滅   縁起が悪い

 

※ 読み方や意味は紹介した以外にも諸説あります ※

 

 

いかかでしたでしょうか。

その言葉の意味や成り立ちを理解する事で以前とは違った景色が広がったのではないでしょうか。

明日の行動の一つの“指標”として少しだけカレンダーを気にしながら予定を組むのも面白いかも知れません。

 

引用・参考

https://www.ndl.go.jp/koyomi/index.html 国立国会図書館 電子展示会 日本の暦

https://allabout.co.jp/           オールアバウト

https://kamiari-kodomo.jp/              映画 神在月のこどもホームページ

 

 

この記事を書いた人

斉藤圭介
千葉県出身群馬県在住。週1回の映画とサッカー観戦がルーティーン。時節の旬な事柄であったり、“へぇーっ”と思わず口に出してしまう様な有意義なコラムを展開できればと思います。

同じカテゴリーの記事を読む

カテゴリーごとに記事を見つける