人が集まる地域が上位に来るの?? 都道府県魅力度ランキングについて

◇ はじめに

今年度の10月9日に都道県魅力度ランキング2021が発表されました。
その際に群馬県知事である山本一太氏が同ランキングの順位に関して、

「非常にずさんで不正確」
「法的な措置も検討したい」

と厳しく批判をしました。(群馬県は47都道府県中44位だった。)

以前から順位の推移が話題に挙がったり、その実施方法に関して問題視もされてきた同ランキング。名前は何となく聞いた事あるなーとか、観光地が上位を争っていて北関東の3県が最下位を争ってるやつねー等、名前は聞いたことがあるけれどイメージだけが先行していて詳細を知っている人は殆どいないのではないか…。

そんな事がきっかけで詳しく調べてみました。

 

◇ 都道府県魅力度ランキングとは

民間の調査会社であるブランド総合研究所にて行われている調査の一つである、
「地域ブランド調査」の中の一つの設問内容を抜粋したランキング。
各地域に対して全84項目の設問を設けた中の一つの設問である。
同調査は2006年度から実施されており、今年で16回目である。
調査方法は以下のとおりである。

回答方法(対象):インターネット調査 (全国の市区町村と47都道府県)
回答者     :20代~70代の消費者を男女別、各年代別にほぼ同数ずつ
回答人数    :およそ3万5千人
回答者居住地域 :1都道府県毎に約1.000人
設問      :「以下の都道府県について、どの程度魅力を感じますか?」
設問選択支   :「とても魅力的」   100点
「やや魅力的」     50点
「どちらでもない」   0点
「あまり魅力を感じない 0点
「全く魅力的ではない」 0点

-- 問いに対して5つの選択肢から選ぶ形である
-- 漠然としたイメージを表す指標であって
必ずしも順位が悪い = 魅力が無いとはならない
-- 「魅力的」にのみ得点が入る加点方式である
結果的に上位は拮抗し、下位は地域差が生まれるであろうと予測される。

 

◇ 2021年度のランキング

-- 1位は13年連続で北海道が受賞。次点で京都や沖縄等観光地域が並ぶ
-- 最下位争いは全国的に知名度が低い地域や、観光資源となり得る物があっても
それと紐づけての印象が無い地域が多い。
-- 有名観光地や広く名の知られている都市が上位に位置し、
全国的には知名度が無い地域や、観光資源における印象が薄い地域が
下位に落ちる傾向がある

 

◇ おわりに

複数ある設問の中の一つの項目を取り上げてのランキングという事で順位が全てでは無いものの、メディアに露出する事による影響は良くも悪くも大きい物なのだなと実感した。その結果を批判するのも利用するのもそれぞれの戦略であると考えられる。
同ランキングの調査会社の社長曰く、
「どうすればその地域の魅力が伝わるかのきっかけにして欲しい」
との見解を述べている。
所属する管轄の地域づくりにおいて、全国レベルではどの程度の印象があるのかの目安として、また順位を付ける事によりどの位置にいるかの“物差し”として広く有効活用して行ければと思います。

 

◇ 編集後記
先日、大学時代から共に生活をしてきた冷蔵庫が音も立てずに急逝しました。
物を冷やして当たり前の存在。そんな固定観念が唐突に崩れ行く時はこうも突然に訪れる物なのだと身をもって感じました。日常を形成している全ての存在に感謝の念を持ちながら、そして何事も“当たり前”なんて存在しない事実を胸に秘めながら日常生活を乗り越えて行こうと思います。

 

参考リンク
・上毛新聞ニュースサイト      https://www.jomo-news.co.jp/
・ブランド総合研究所ホームページ  https://tiiki.jp/

 

この記事を書いた人

斉藤圭介
千葉県出身群馬県在住。週1回の映画とサッカー観戦がルーティーン。時節の旬な事柄であったり、“へぇーっ”と思わず口に出してしまう様な有意義なコラムを展開できればと思います。

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