リアルとオンラインで。新しい学園祭のかたち
こんにちは。編集員のSATOです。
まだ夏の暑さは残りますが、まもなく秋がやってきます。
そろそろ学園祭のシーズンだな、と懐かしい気持ちに浸っていましたが、このコロナ禍において学園祭はどう変化しているのかと疑問に思い、今回は2020年オンライン開催、2021年はリアルとオンラインのハイブリッド型で開催するという「早稲田祭2021」の運営スタッフである代表 小野寺 佑月さん(3年生)と広報チームの一色 優さん(2年生)にお話を伺いました。
―オンラインで開催した昨年度(2020年)の早稲田祭はいかがでしたか?
小野寺 : 昨年は、早稲田祭史上初のオンライン開催となりました。当時、オンラインで開催することを発表した時、SNSをはじめ賛否両論のご意見があったように感じます。「こんな時に学園祭なんて」という声も多かったし、「どうやってオンラインでやるの?」と疑問を持つ方も多かったです。例年よりも参加団体の申請も少なかったので、少し不安もありました。
僕たち運営チームとしても、オンライン開催は初めてで全員0からのスタート。手段や方法も検討に検討を重ねて開催をした結果、2日間で総再生回数は約35万回、同時視聴者数は最大7,000人でした。2019年度は2日間で来場者数約20万人だったので、結果として良かったと思っています。なにより、僕自身も当日の運営を通して、参加団体から「楽しかった」「やって良かった」という声を聞くことができて、ホッとしましたし、中止せずにチャレンジして良かったと感じました。
―実際にどうやってオンラインで学園祭を開催したのですか?
小野寺 : 基本的には各教室で企画をやっていて、それをカメラで撮影しながら生配信という形態ですが、企画によっては事前収録やZOOMなどの配信ツールをつかっておこなうものもありました。オンライン上のコンテンツを自由に移動して、視聴者自信に好きな企画を楽しんでもらえるような形です。構内にある大隈講堂に出演団体の衣装を展示して、VR企画として見ていただく企画はとても好評でした。普段あまり一般公開されないのでOB・OGも懐かしんでいただけたと思いますし、一般の方も興味を持ってくださった方が多かったと思います。
オンラインになって出来ることも増えましたが、リアルと比べると難しいこともありますし、新たな課題も出てきます。例えば、著作権の問題。なんとなくグレーゾーンとして進んできた部分が、オンラインで万人が見ることが出来るようになったので、曲や画像なども含めて事前に企画の詳細まで確認して管理しておく必要性もでてきました。不便な思いもあると思いますが、元々しっかりとやらなくてはいけない部分だったので、一層気を引き締めて取り組んでいきたいです。
2020年の早稲田祭は、僕の1つ上の代の先輩方が中心となって、オンラインの可能性を手探りながら試行錯誤を繰り返しながら作り上げられました。その土台があるおかげで、2021年はリアルとオンラインのハイブリッドという新しい形にチャレンジすることができていると感じています。世間でも、オンラインイベントが徐々に増えており、ただ「見る」だけでなく、それ以上の価値あるものが求められていると感じています。例えばラジオやテレビの公開収録のように、リアルでもオンラインでも参加していただけた方全員が楽しめるようなコンテンツを提供できるように2021年も企画しています。
―2人が考える、今、リアルとオンラインのハイブリットで早稲田祭を開催する意味とは?
小野寺 : 大きくわけて2つあります。1つは、早稲田祭がもつ意味。早稲田祭は、全ての早大生にとって、日頃の活動を披露できる場所で、そうあるべきだと僕は思っています。全ての早大生に開かれている場は、早稲田祭以外にありません。そういった貴重な場を絶やしてしまうことは、学生生活4年間の成果を発表できる機会、場所を失うことにつながってしまう。それは避けたいと考えています。
2つめは、早稲田祭の影響力。このイベントは、多くの地域の方々に協力していただき成立しています。多くの人が、この早稲田という地に足を運んでくれることで、地域の盛り上がりにも繋がってきます。
ただ“楽しいから”という理由だけでなく、早稲田祭を開催することが周囲にプラスのエネルギーを与え、早稲田全体で気運を高め合う流れをつくることができれば、この陰鬱な状況が少しでも打破できるのではないでしょうか。だからこそ今、早稲田祭2021をやる価値があると僕は思っています。
一色 : 私は、今年が入学して2度目の早稲田祭です。2020年はオンラインではありましたが、地域そのものに根付き、地域全体で盛り上がれるのが早稲田祭だということを実感しています。2021年は昨年より進化したリアルとオンラインのハイブリッド開催。直接の来場が難しい方でも、早稲田という風土や文化を身近に感じていただけると思います。人数は制限されてしまいますが、直接ご来場いただくことで感じていただける熱量や想いもあるかと思います。それぞれの楽しさがあると思いますので、その強みが生かせるように開催したいと考えています。
小野寺 : 今年は、約210団体が参加を表明してくれています。昨年のオンライン開催の経験を武器に早稲田祭をステップアップさせ、本来めざしていたリアルな早稲田祭に近づけていければ、これまでよりも大きなことが出来るし、たくさんの人に魅力を伝えることができる。そう感じています。
―「それでも共に」 早稲田祭2021が掲げるキャッチコピーに込めた願いは?
小野寺 : 今年のキャッチコピーは、広報チームと僕で考えました。僕がこの運営チームの代表になるにあたり、「共に」というテーマを掲げていました。2021年も、まだ以前のようには戻らず、人と人の繋がりはますます薄くなっていると感じています。この早稲田祭が、関わってくださった全ての人と“共に”つくるイベントだということを発信していきたいと思い、このキャッチコピーを掲げました。リアルとオンラインのハイブリッドは、成果の発表の場としては理想的ですが、まだ難しい部分も多く、手探りの状況でもあります。それでも、このキャッチコピーのように、関わってくださる全ての方に感謝をこめて、“共に”早稲田祭2021を成功させたいと考えています。
一色 : 今年はハイブリッド開催なので、屋外にステージを設営してイベントをします。照明や音響、演出もこだわっています。私は、来場者のいる早稲田祭に参加するのは初めてなので、どんな風になるのかとても楽しみです。来場者には、体温測定やアルコール消毒といった対策をお願いするだけでなく、人数を制限して密にならないように管理する入講システムを独自に作成して導入する予定です。対面でやりたいという気持ちも強い反面、リスクも捉えているので、万全の対策で準備しています。色々な制限はありますが、できるだけ多くの方と“共に”この早稲田祭2021をつくりあげていきたいと考えていますので、楽しみにしていてください!
~早稲田祭2021~
日時:2021年11月6日・7日(2日間)
現地開催とオンラインでの配信を併用したハイブリッドで開催予定
https://www.wasedasai.net/
今後の発信は、WEBサイトやSNSをご確認ください。
代表 小野寺 佑月さん
「4年間というの限られた期間で早大生の努力を体現する場が早稲田祭。2日間という一瞬のために長い時間をかけて準備してきてきました。強さだけでなく儚さも感じていただけたらなと思います」
広報チーム 一色 優さん
「リアルとオンラインの併用によって、遠方の方にも早大生の在り方を感じてもらえると思います。受験生も興味のある人もない人も、楽しんでいただけると思います。足を運んで下さる方には、例年どおりの早大生の姿をみせて、頑張るきかっけになれば嬉しいです。」
小野寺さん、一色さん、ありがとうございました!
参加者の心に青春の1ページとして刻まれるような新しいかたちの”早稲田祭2021”、成功を心より応援しております!
この記事を書いた人

SATO
1989年奈良県生まれ神奈川育ち。金融、専門商社を経て2017年イベント制作会社の㈱セレスポに入社。好きなのは、写真を撮ること、ビール、牡蠣、えいひれ、そしてわんこ。散歩中のわんことすれ違うたびに「かわいいねぇ…(´◡`)」と呟いてしまうくらいに大好き。
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