コロナ時代に応じるイベント業界の「ニューノーマル」
新型コロナウイルスの感染拡大に備えて、日本国内でも緊急事態宣言が発令されたことによって、従来にはなかったような「新しい生活様式」が生まれています。このような時代における大きな転換期のことを「ニューノーマル」と呼びますが、イベント自体がニューノーマルの時代に合わせ、どのようになるか、Positive Impact Events[1]代表のフィオナ氏にインタビューを行ないました。
[1]Positive Impact Events(本部:マンチェスター)は、イベント分野のサステナビリティ教育を行うイギリスの団体です。2014年、日本と世界を繋ぐ架け橋として国内外の最新サステナブルイベント事例や情報を発信していくため、当社内(サステナブルイベント研究所)で日本事務局を開設しました。公式サイトは、こちら。
フィオナ ペラム氏
Positive Impact Events CEO
・2005年にイベント産業におけるサステナビリティ教育を行うNPO「Positive Impact Events」を設立。
・2012年のロンドンオリンピック・パラリンピックでも活用されたイベント産業のサステナビリティをサポートするための国際規格ISO20121の策定会では議長を務めた。
・2016年には、2万人を超える国際メンバーから成る世界最大のイベント産業協会 Meeting Professionals Internationalで国際議長を務めた。
Q:コロナ時代に応じるイベント業界の「ニューノーマル」とは?
A:コロナがイベント業界を変えたことは明らかです。現在は、数千人が参加する大規模イベントが開催できなく、おそらく2021年にも開催には困難を要するでしょう。ただ、それが「イベントを終わらせる」という意味ではありません。なぜなら、イベント専門家たちが革新的ですから。イベントとは、2人以上の人が集まることです。バーチャルイベント、ハイブリッドイベント、対面イベントのいずれかになります。
Q:「ニューノーマルの適用」と「サステナビリティ(持続可能性)の継続」は、どのようにバランスが取れるのでしょうか。
A:「サステナビリティ(持続可能性)」と言えば、「おまけ」または「やっておいても損はないこと」と考えがちですが、実際にはそうではありません。サステナビリティ(持続可能性)は、私たちの業界の存続を意味しています。気候変動枠組条約(UNFCCC)が「社会が気候変動への対応に失敗した場合、イベント業界が存在しません」と警告しました。(※詳細は、こちら)
したがって、「ニューノーマル」「サステナビリティ(持続可能性)」を2つの別個の相容れない存在として考えるべきではありません。イベントが開催されるたびに、国連のSDGsが推進され、社会的・経済的目標が達成され、気候変動への対応に対する私たちの責任が示され、すべての人のためになる世界が構築されるように、サステナビリティ(持続可能性)がイベント業界の「ニューノーマル」になるように、努力しなければなりません。
Q:コロナ禍でヨーロッパのイベント業界の現状を教えてください。
A:現在、ヨーロッパでは対面式のイベントは、ほとんど行われていません。2020年には、スポーツイベントやお祭りなどの大型イベントはすべて中止となりましたが、2021年には、サマーフェスティバルが計画されていて、また、観客がソーシャルディスタンスを確保しながらスポーツ観戦することが許されているため、2021年には、イベント業界が回復するのではないか、という期待があるようです。そのため、イベント業界では多くの企業がバーチャルイベントに転換しています。例えば、イベント業界最大級の展示会であるIBTM(https://www.ibtmworld.com/)とPlanet IMEX(https://planetimex.com/)は、今年もバーチャルの形で開催され、2021年には対面式の展示会を計画しています。
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株式会社セレスポ サステナブルイベント研究所
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